ジョギングのススメ〜その3〜 マドンナで走る

※今回のレシピを再生するためには最新版(11/7 公開の 0.2.8.11070 以降)の Hash'n Mash が必要です。お持ちでない方はこちらからダウンロードしてください。
 今回はマドンナの Confessions on a Dance Floor のアルバムの楽曲から7曲を用いて BPM 160 でノンストップにつないだ Jogging Mix を作ってみました。ノンストップミックスのよいところは曲間ギャップがないためジョギングのテンポをキープしたまま次の曲が来てもビートに足が自然に合うところです。これが気持ちエエ。レシピルームにもアップしましたので、このアルバムをお持ちの方は次の手順でお試しください。

■このレシピでジョギングするまでの手順

  1. Confessions on A Dance Floor を MP3 または wav で PC に取り込む
  2. DB Builder に取り込んだ MP3, wav をドラッグ&ドロップしてデータベースを作成する(あるいは既存のものに追加する)
    (「サーバにアクセスする」チェックをつけてサーバから自動的にタイムラインメタデータを取得するようにしておきます)
  3. データベースを保存する
  4. Hash'n Mash を起動し、上で保存したデータベースファイルを開く
  5. とりあえず完成レシピを聴きたい場合には、レシピルームからレシピをダウンロードして Hash'n Mash にドラッグ&ドロップして「Play」ボタンを押す
  6. 自分のジョギングペースにあわせて BPM を調整する。私の場合には 165BPM がちょうどよいですが、公開レシピは初期値 160BPM になっています
  7. [ファイル]-[現在のレシピをレンダリング…]を使用して、レシピを WAV に書き出す
  8. あとは iPodWalkman に転送すればウマー(゜Д゜)

※実は日曜日に走ろうと思ったのですが雨で断念…来週はこれで走ります。

ここからは、実際に今回のレシピをどうやって作ったかを順番に説明していきたいと思います。ちなみにレシピ作成にかかった所要時間はだいたい15分程度です。曲を並べてつなぐだけなら誰でもこの程度で創れると思います。何度も聴いて確認したり、つなぎを凝り始めるといくらでもかかりますが、、、それもまた愉しからずや。
なんにせよ自分のジョギングテンポにあったオリジナルミックスを創って走るのはとても気持ちがいいですヨ。

今回使用したアルバムは Madonna の Confessions on A Dance Floor です。その中から
Hung Up
Isaac
Let It Will Be
Forbidden Love
Future Lover
Get Together
I Love New York
を使用しました。もともとのテンポが 120〜140程度の曲なので 160まであげるとかなり速いです。しかしジョギング時はこれくらいでちょうどよく感じるので不思議です。

Confessions on a Dance Floor

Confessions on a Dance Floor

まずは先に完成したレシピの全体を載せます。

全体で23分以上あるミックスなので縮小表示してもすんごい横長です。クリックすると拡大します。今回1曲の構成は変えずにほぼそのままにして、7曲をつなぎました。つなぎの部分だけ多少工夫したポイントがあるのでそれも後述します。


まず1曲目の先頭ブロックを置きます。


レシピがかなり長くなるので、ツールバーの「-」を押してタイムラインの表示倍率を縮小しておきましょう。「-」を押しても表示が変わらない場合には下の楽曲リスト側が選択されている可能性があります。一度マッシュアップタイムライン側(上のペインのどこか)をクリックしてから「-」を押してください。


置いたブロックを選択すると黄色い枠で囲まれます。これが選択状態を表しています。黄色枠の右端にマウスカーソルを持っていくとマウスカーソルが「<->」に変わりますので、そこでクリックしたままドラッグすると選択中のブロックの範囲を伸縮できます。


十分右までドラッグするとブロックの範囲が楽曲全体になります。これで1曲まるまるトラックに配置したことになります。


同様にして2曲目の先頭を1曲目の後ろに配置して、右端をつまんでドラッグします。これを繰り返すことで何曲でもトラックに配置することが可能です。


マッシュアップタイムラインに並べられたブロックはデフォルトでは「自動転調」が ON になっています。今回最初に使用した Hung Up はキーが Dm の曲なので、自動転調が ON になっていると他の曲も全部キーを D にあわせようとしてしまいます。マッシュアップと違って同時に1曲しか再生されていないノンストップミックスの場合には、自動転調を OFF にしたほうがよいでしょう。
OFF にしたいブロックの上で右クリックして表示されたポップアップメニューから「自動転調」のチェックをはずせば OK です。これでそのブロックは原曲の音程で再生されます。


ツールバーBPM の値を設定します。これは個々人が走りやすい BPM を設定してください。どれくらいがちょうどよいか分からない方は、一度 160, 165, 170 のようにいくつかの種類を作って実際に走ってみるとよいかと思います。一般的にビギナージョガーは 160〜170 あたりがよいと言われているようです。

単に同じテンポで曲をつないでいくだけであればこれでおしまいです。しかしながら、よりかっこよくつなぐためのノウハウがあります。以降はちょっと凝ったつなぎについてです。

相変わらず説明がくどくて長くなりがちですいません。長いと難しそうに見えちゃいますよね…。
めげずに再度完成したレシピをご覧ください。

それぞれの曲のつなぎ目の部分なのですが、そのまま何もしていないわけでなく、より自然につながるように工夫をしています。
いくつかつなぎ目ごとに解説してみたいと思います。


まず、1曲目と2曲目のつなぎ部分ですがクロスフェードをかけてみました。クロスフェードとは、前の曲をだんだん音量を下げながら後の曲をだんだん音量を上げていって両方を重ねて再生することです。


イメージ的にはこんな感じになっています。前の曲はフェードアウトをするために曲の終わりより手前でブロックを終わらせます。このチュートリアルの最初では曲全体をひとつのブロックにすると書きましたが、フェードアウトはブロックの終わりから何秒かけて音量を0にするかを指定するので、曲の最後までブロックに含まれているとフェードアウトできません。


前の曲のブロックで右クリックをして「プロパティ」を選びます。
表示されたウィンドウの Fade Out ボックスにフェードアウト時間をミリ秒単位(1000ミリ秒は1秒)で入力します。または「beats」欄にビート数を入力すると自動的に時間を計算してくれます。4拍子の曲では4を指定すると1小節分になります。ここでは32を指定しているので8小節かけて音量を0にしています。


後ろの曲(Isaac)でも同様にプロパティを開いて、今度は Fade In 時間を入力します。この値はブロック開始点から何秒かけて音量を最大にするかを指定します。今回はクロスフェードをさせたいのでこちらも32ビート=8小節かけてフェードインします。
フェードアウトとフェードインが同時に起こるため、徐々に曲が入れ替わる感じがします。


3曲目と4曲目のつなぎ部分では、3曲目の最後が静かな感じで終わるため3曲目の少しにぎやかな部分(上の図の F 部分)を挟んでから4曲目に行くようにしています。また、このとき F の前のブロックをフェードアウトすることにより、曲が徐々に終わりながら F 部分も重なって音が途切れない感じを作り出しています。このあたりは言葉では説明が難しいので実際のレシピを使って実際に聴いてもらったほうがよいかと思います (^_^;) むずい。


4曲目と5曲目のつなぎですが、5曲目のイントロの一部分を利用して音程を変えながらつないでみました。


ブロックを強制的に転調するためには、プロパティを開きます。


自動転調のチェックがはずれていると、強制転調の項目を操作できるようになります。ここで、-11〜+11の範囲で強制転調できるようになります。単位は半音なので、+1 で半音上がります。+12 で1オクターブ上の音になりますが、調は一緒になるため強制転調設定は -11〜+11 までとなっています。
あまり大きく転調すると音質がかなり悪くなったり不自然になったりすることがありますので注意してください。


最終的にこのつなぎの部分は、こんな感じで転調したブロックをつないで次の曲へ橋渡しをしています。

つなぎ方をまとめると、私の場合基本的には次のテクニックの組み合わせで行っています。ちなみに私は DJ とかではないので通常の DJ さんがやってるテクニックと違う可能性がありマス

  • フェードアウト
  • フェードイン
    (両方使うとクロスフェード
  • つなぎになりそうなブロックを挟む
  • 必要に応じてブロックを転調しながらつないでいく

長くなりましたが以上です。

今回やってて思ったのですが、いろいろ改良したいです。
以前からの積み残しもありますが、ジョギング用のミックスを作る上で自分自身なんとかしたいと思ったのは次の点です。備忘録として書いておきマス。

  • レンダリング速度の向上
    現在は wav で結果を書き出すのに実時間かかります。音を消して最速でレンダリングできるようにしようと思います。
  • フェードアウトや転調がどこでかかっているかをぱっと見て分かるようにしたい
  • 曲全体を選ぶ方法を簡単にしたい
  • レシピの途中でマスターテンポを変えれるようにしたい
  • レシピの途中でマスターキーを変えられるようにしたい

 増える一方ですな…先に Undo だろという気もしる(;´Д`)