これは凄い! Kutiman のビデオスクラッチマッシュアップ☆

 最近数か所から同時に教えてもらった動画をご紹介します。
 この記事に紹介されているビデオスクラッチですが、多数の YouTube に投稿されているアマチュアミュージシャンの練習風景を使ってそれらを合成して1曲の完成した曲に仕上げたものです。YouTube にある映像は二次創作のための素材としてもうまく利用できるというよい見本ですね。

 著作権に関してはいろいろ問題が起きそうだと書いてあったりしますが、冷静に何が問題になりそうかを考えてみます。

 著作権といっても複製権やら人格権やらいろいろあります。この例で議論が起きそうなものは次の3つでしょうか。(法律の専門家ではないので間違えていたらご指摘ください)

  1. 複製権
  2. 演奏権
  3. 同一性保持権(著作者人格権の一つ)

1.複製権
 第三者がアップロードした動画を許可なく複製しているのであれば複製権を侵害していることになります。しかし、アップロードした人は YouTube にアップした時点で再利用されることはある程度想定の範囲なのではないかと思います。文句は言わないんじゃないかな。
2.演奏権
 既存の楽曲を許可なく演奏しているのであれば演奏権の侵害になり得ます。オリジナルのフレーズであれば問題ありません。オリジナルが分からないくらい短い一部分だった場合も問題にならない可能性が高いと思われます。ニコニコ動画のように JASRAC と契約をしている場合にも問題になりません。
3.同一性保持権
曲を改変したことで同一性保持権の侵害になり得ます。同一性保持権を持つのはこのビデオの場合、作曲者と実演家のみなので彼らが直接訴えない限り問題となりません。同一性保持権は日本と諸外国で多少異なります。日本では作曲者が「意図しない改変」だと思えば訴えることが可能です。米国などでは「客観的に見て作曲者の名誉を気づ付けている」場合に侵害となります。また、日本の場合でも実演家の場合には「客観的に見て実演家の名誉を気づ付けている」場合に侵害となります。つまり、少なくとも米国ではみんなが cool だと思っている限り同一性保持権の侵害にはならないのではないかと思います。

そんなわけで、限りなく白に近いグレーもしくは実際には問題にならないケースなんじゃないかと個人的には思います。独創性が入っている二次創作物も作品であり、感動したり面白いと思う人がいる限り、やみくもに違法だ!というのは大人げないと思うのは僕だけでしょうか?